塩と料理

その「おいしい」には理由がある。

海から生まれる塩の魅力
塩を変えれば料理も変わる

塩は、料理の要となる調味料のひとつです。料理の味を整えるのに使われるだけでなく、食材の変色を防いだり、食感や発色を良くすることでも知られます。しめさばのように酢でしめる料理で下ごしらえに塩をふるのは、余計な水分を排出させて身を引き締め、味をよく染み込ませるためです。

成分の99%以上が塩化ナトリウムである精製塩とは違い、「天日塩」や「釜炊き塩」である「あまくさンソルト」には、さまざまなミネラルが含まれています。それらは、うま味や甘味、酸味、苦味などにつながるもの。塩そのものにさまざまな味をもたらします。このように、味わいに個性のあるあまくさンソルトをうまく使い分けすれば、食材のうま味やコクを引き出すこともできます。

アオサのかき揚げ

アオサと玉ねぎ、ちくわのかき揚げはミックス粉と薄力粉、卵を混ぜ、釜炊き塩を加えた衣が決め手

釜炊き塩を使用した自家製田舎味噌は、寝かせるほどにうまさが増す。左は1年熟成。右は2年熟成。

田舎味噌で作る季節野菜の白和え

白和えの調味には醤油の代わりに手作り味噌を使うのが天草流。砂糖を加えて甘めに仕上げるのがポイント

もっと楽しくもっとおいしく
あまくさンソルトのある食卓

個性豊かな「あまくさンソルト」を、天草の人たちがどのように楽しんでいるのか、ここで少しご紹介しましょう。あまくさンソルトを普段から使っている人は、こう話します。
「味の決め手となる工程で天草の塩を使っています。私の一番のお気に入りは、わが家の米を釜炊き塩で握るおにぎり。おかずもいらないほどのおいしさなんです」。
自家用味噌や朝採れ野菜の浅漬けや蒸し野菜なども釜炊き塩で。できるだけ手間をかけず、シンプルな味付けで食材そのものの味を楽しみたいときにも、重宝するそうです。あまくさンソルトを加工に用いる人も。例えばレモンを果皮ごと塩漬けにして、発酵させてつくる調味料の塩レモンも、そのひとつです。「一般的には1か月ほど漬け込む事ことが多いようですが、うちでは塩気がマイルドな天日塩を使うので、1週間くらいでまろやかな味わいの塩レモンが完成します」。漬け汁は蒸し料理にかけたり、オリーブオイルと合わせてドレッシングなどとしても使うことができます。肉や魚を漬け込んで焼けばやわらかくジューシーに。皮は刻んで炒めものにと、とても使い勝手がいいのだそうです。また、「柚子ごしょうには塩味だけでなく、甘味がある塩を選びます。天日塩は、釜炊きや精製塩に比べると粒が大きいものが多いのですが、柚子ごしょうのように作ってしばらく寝かせて使うものの場合、時間をかけてゆっくりと溶けていく天日塩が相性がいいよう。心なしか、柚子の香りも引き立つ気がします」。

天草黒牛のグリルに塩を添えて

肉のグリルには、粒が大きめの天日塩を。肉の表面に残る粒の塩気やうま味と、肉の甘みの調和を楽しめる

あまくさンソルトは、肉との相性も抜群です。肉を焼く直前に塩をふると、組織が引き締まって肉汁が逃げ出すことなく、よりおいしくジューシーに焼きあがります。塊肉を使ったローストビーフやローストポークなどを作るときに、粒が大きめの天日塩を使うのもおすすめ。肉の表面に残った粒の塩気やうま味と、肉の甘みが合わさって、タレなしでも美味しく味わえます。

もちろん、魚との相性も抜群。焼き魚だけでなく、その用途は生の魚にも広がります。特に際立つのが、白身魚の刺身です。繊細な味わいの白身魚はともすると醤油の風味が際立って、魚自体の味わいが隠れてしまうこともしばしば。こうしたとき、醤油の代わりに塩を用いることで、白身魚自体の味わいを感じやすくなるのです。少量の塩をつけ、柑橘を軽く絞って食べるのもおすすめです。

また、和食の世界に目を向けると、「合わせ塩」という考え方もあります。抹茶や山椒といった香味を醸すものを塩に調合し、調味塩とするもので、天ぷらや寿司などでよく用いられる方法です。梅酢で風味付けした梅塩は白身魚に、ウニを混ぜ込んだウニ塩はイカの寿司に。貝類にはカラスミを混ぜ込んだ塩など、組み合わせの妙を楽しむ寿司屋も登場しています。黒胡椒やゴマを合わせたり、桜の塩漬けを合わせた桜塩のように、季節の訪れを楽しむ組み合わせもいいでしょう。毎日使う塩のすべてを、海塩にすることは難しいかもしれませんが、あまくさンソルトのなかからお気に入りを見つけ出して、食卓調味料として取り入れてみるというのはいかがでしょうか。おにぎりや、仕上げのふり塩、つけ塩など、料理に添える感覚で味わってみてください。いつもの料理が、もっとおいしく楽しくなるはずです。

白魚のお吸い物

磯の香りが食欲をそそる白魚とアオサの吸い物。薄口醤油と釜炊き塩であっさりと

左上からウニ塩、カラスミ塩、梅塩

甘味のある天日塩を使った柚子ごしょうはまろやかな辛さと風味が特徴。
肉や魚との相性がよく、鍋料理にも

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